幼児教育を、皆さんはどう捉えているでしょうか?
文部科学省の文言では…
幼児とは、小学校就学前の者を意味する。
『幼児教育とは、幼児に対する教育を意味し、幼児が生活するすべての場において行われる教育を総称したものである。具体的には、幼稚園における教育、保育所等における教育、家庭における教育、地域社会における教育を含み得る、広がりをもった概念として捉えられる。』
と、されています。
その中で私立幼稚園は特に、それぞれの幼稚園の特色がはっきりしており、自分のお子さんに合った園選びで迷われている方もいらっしゃる事でしょう。
幼稚園は大きく分けて、一斉保育型(先生が主になり教え込む教育)と自由保育型(子どもの主体性を重んじる教育)があります。活動場面において、一斉保育で行ったりと、場面において使い分ける園もあるかとは思いますが、教育理念としては、この2つの形が挙げられると思います。
私が考える理想の教育は、後者の自由保育型の教育です✨
『自由で教育?何が育つの?どんなことができるようになるの?!放任しているだけじゃないの?』
と思われる方も多い事でしょう。
しかし、自由保育(子どもの主体性を大切にする教育)を行うには、周りの環境(人的環境、物的環境、自然・社会環境)がとても大切になり、意図して保育に取り込む教師の質が求められるのです。
自由保育のパターンとして、①教師が子どもたちに伝えたい事を目的とする場合と、②子どもたちが自ら考え、組み立てていく教育の2種類があります。
①の場合、教師が求める『ねらい(答え)』があり、そこに向けて環境を整え、様々な種(子どもの考えるきっかけ)を撒いていきます。
場合によっては、教師が意図した方向に行かない場合もあるのですが、まわり道をしてもそれは経験という学びであり、無駄ではありません。
②では、子どもの考えが必要となり難易度が高く、年長児がよく取り入れています。
活動での決め事や、『なんで?』と思った事に向けて、友だちと意見を出し合ったりして、答えを模索していきます。時にはぶつかったりと失敗も学びなので、人間関係がより深くなっていきます。
総じて言える事は、子ども自ら意欲的に行う活動は、持続性があり、尚且つ、学ぶ意欲が身につきます。その中で、先生に褒められたり、友だちに認められたりすることで自己肯定感も高まり、自信という意欲が高まります。
幼児期に、『自己肯定感』を高めることはとても大切で、学校で学びが進むにつれて自分のやりたいことを見つけたり、目標に向かって自分で考え組み立てていったりと、自ら考えやり通す力が身につきます。
そして…
子どもが主体となる為には、教師である大人が2手、3手、4手と将棋のように先読みしたり、柔軟な考えが求められ、教師の一方的な考えでは都合が悪いのです。
その年の受け持つ子どもたちが違うのですから、毎年、同じような活動内容ではフィットしない時もあるので、その都度、今の子に必要な『学び(遊び)は何か?!』と、教材研究をすることが求められます。
そのような質の高い教育(子どもが主体的な学び)を受けた子どもたちは、自ら考える力が強くなり、成長するにつれ進路を自ら切り開いていける人間になっていくのです。
以前勤めていた卒園児の活躍をよく耳にするのですが…
・吹奏楽部のコンクールで金賞を取った✨
・ダンスグループのメンバーとして、メジャーデビューした✨
・高校野球で、甲子園出場を成し遂げた✨
・スピードクライミングのジュニアワールドカップで優勝した✨
・目標の高校に進学できた✨
などなど、他にもたくさん様々な場での活躍を耳にし、とても胸が熱くなるのを経験し、嬉しく思うとともに幼児期のエピソードを思い出します😊
もちろん、幼児期の影響だけではなく、そこには本人の努力や周りの支え、いち早く才能を見出したご家庭があるからこそ、輝かしい結果を生んでいるのだと思います✨
一方的に指導する形は、大人的にはそれが『質の良い早期教育』だと思いがちですが、そこで折れてしまった子どもの心は相当傷ついてしまいます。
自信を無くした子どもは、やる気がなくなります。
やがて自己肯定感が低くなり、人生の進路に悩み、苦しんでしまう事もあるでしょう。
『遊びは学び』
全ての子どもたちが明るく、自らを認め、いきいきと生活していく事を私は望みます。